うつ病

うつ病の治療期間

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診察を受ける女性

うつ病は治療を始めてすぐに治るようなものではありません。では、うつ病は治療を始めてどれくらいの期間で治っていくのでしょうか?

うつ病はよくなったり悪くなったりを繰り返しながら少しずつ改善していきます。その段階によってはうつ病が治ったと勘違いする方がいらっしゃいますが、そこで薬などの治療を止めると再発する恐れがあります。

この記事では、うつ病全体の治療にはどれくらいの期間を要するのか、また段階別の治療期間や特徴を詳しく解説していきます。

うつ病の治療は1年以上かかる

うつ病とは、精神的なダメージが蓄積することで引き起こる病気です。
脳が疲弊してエネルギーが不足することで、憂うつな状態を回復できなかったり意欲がわかなかったりします。
通常は自然治癒力によって脳のエネルギーは回復します。しかし、休息したり気分転換したりしても症状が悪化する場合は、精神的な病気と判断できるのです。

うつ病は精神的な病気ですので、特別なもののようにとらえがちです。しかし、身体的なけがや病気と同様に、うつ病も休息や薬物療法によって治療をしていきます。
これにうつ病は精神療法やカウンセリングなど、心特有の治療も加わります。この治療の期間は、うつ病と診断されてから1年以上かかるのが通常です。
また、1年間の治療期間の内、うつ病の診断を受けてから3ヶ月程度を治療初期、4~9ヶ月程度を治療中期、1年以降を治療後期と大きく3つに段階に分けることができます。
そして、それぞれの段階によって特徴や治療法が異なるので、しっかりと理解することが大切です。

なお、うつ病とひと言でいっても人によって症状や経過が異なります。ここで紹介するものは典型的な治療の流れと考えてください。

うつ病治療の流れ

治療初期(1~3ヶ月)

うつ病と診断を受けてから始める主な治療は、「休息」と「薬物療法」の2つです。これにカウンセリングなども加えていきます。そもそもうつ病になる原因は、ストレスなどによって脳のエネルギーを消耗したことです。酷使した脳をしっかりと休ませることによって回復を図ります。休息の方法はうつ病の程度により、仕事の量を減らす程度でよい方や仕事自体を休む必要がある方などさまざまです。自分が最もリラックスできる方法を選んで、しっかりと脳を休息させることが大切です。

うつ病の薬物療法では抗うつ薬が使われますが、2つの注意点があります。1つは即効性がないことです。
個人差がありますが、薬を飲んでも効果が現われるまでに数週間かかります。つまり、薬を飲んでもすぐに効果が現われないので、薬の服用を勝手に止めてしまう方がいらっしゃるのです。医師の指示に従って適切に服用するようにしましょう。

2つ目は、薬の副作用です。抗うつ薬を飲みだすと、眠気や吐き気、めまいなどの症状が出ることがほとんどです。
しかし、薬は身体に慣れると副作用が少しずつ起こらなくなっていきます。それまでは様子を見ることが必要です。ただし、どうしてもつらいときは、医師に相談してみてください。

この時期は適切に治療をしていても、段階的にしか改善していきません。少しずつイライラや不安が治まったり憂うつが治まったりして、生活が楽しめるようになってきます。しかし、うつ病のぶり返しも起こるので、油断ができない時期です。

治療中期(4~9ヶ月以上)

うつ病の治療を開始して4ヶ月程度経過すると、多くの場合憂うつなどの症状がほとんど出なくなってきます。
つまり、この時期で大切なことは、うつ病の症状が出ない状態を維持すること、安定させることです。
4~9ヶ月と幅がありますので、人によっては何カ月もうつ病の症状が出なければ治ったと勘違いする方がいらっしゃいます。しかし、治療中期の時期は気持ちの状態が安定しているだけで、決してうつ病が治ったわけでありません。

主な治療は継続して「休息」と「薬物療法」です。
気持ちがだいぶ回復してきているので、仕事の量を以前の状態に戻したり無理して外出を試みたりしがちです。
しかし、回復を急ぐとうつ病がぶり返してしまいますので、無理せずに生活リズムを以前に戻していくのが肝心です。

治療終盤(1年~)

うつ病の治療を開始して1年程度になると、以前のような生活に戻れるようになってきます。
それに伴って、うつ病の治療を疎かにする方が増えてきます。しかし、うつ病は再発しやすい病気ですので、医師の指示に従って治療を続けることが大切です。
例えば、勝手に薬の量を減らしたり止めたりせず、決められた量をしっかりと服用しましょう。また、うつ病になった原因を考え、再発しないようにすることも必要です。
必要であればゆっくりと自分に負担がない生活に改めましょう。

うつ病の治療は長い時間をかけてゆっくり治す

うつ病は、日常のストレスなどによって時間をかけて脳を疲弊させて進行していきます。そのため、回復にも同様に時間を要します。
決して治療を焦ってはいけません。うつ病を早く治したいと思えば思うほど、それがストレスとなって治療の妨げとなってしまうのです。

うつ病は脳が疲れてしまっている状態ですので、ゆっくりとした休息を心がけましょう。また、再発しないために、自分の考え方をコントロールしたり適度な運動をしたり日常生活にも気を配ることも大切です。
うつ病の治療は時間がかかると自覚して、自分のペースでゆっくりと治していきましょう。

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